カテゴリー:不当解雇・退職の強要(退職勧奨)

コロナによる業績悪化を理由として解雇されました

突然「コロナによって休業せざるを得ないので解雇する」と言われました。確かに3月より勤務場所(店)は休業しています。解雇を受け入れるしかないのでしょうか。

 

まず会社は、法的には、余程のことがない限り従業員を解雇することができません。コロナによって業績が急激に悪化した場合でも簡単には従業員を解雇できないのです。

業績が悪いことを理由に従業員を解雇することを「整理解雇」といいますが、裁判例で整理解雇が認められるには以下のよう要素を総合考慮することが実務で定着しています。
以下の4つの要素です。

1 解雇の必要性があること(業績が悪化していることなど)

2 解雇を回避するための努力をしたこと(解雇以外の他の手段を充分に試みたか)

3 人選が合理的であること(解雇対象者を恣意的に選んでいない)

4 手続が相当であること(労働組合等に協議と説明をしたか)

仮に、要素の1について、本当にコロナで業績が悪化していたとしても、他の3要素を満たしていなければ、整理解雇が認められない可能性があります。例えば、2の解雇回避努力とは、従業員の配置転換や給与賞与の削減、新規採用の停止、希望退職の募集など、整理解雇という手段に至る前に、相応の解雇回避努力をしたかということですが、それを満たしていない場合は、解雇が認められない可能性もあるのです。例えば、新規採用を継続していたり、役員他の幹部が高額の報酬を継続的に得ている場合などは、2の解雇回避努力が認められにくい方向に働くでしょう。したがって、「会社の業績が悪いから解雇する」と言われた場合でも、受け入れる前に、上記整理解雇の4要素をどれだけ満たしているかしっかりと確認したほうが良いでしょう。 

 

コロナによる業績悪化が事実としても、あまりに急な解雇は認められない場合も多いです。

是非、至急弁護士に相談ください。

 
 

突然「会社の業績が悪いから解雇する」と言われました。

質問例

突然「会社の業績が悪いから解雇する」と言われました。確かに、この2〜3年は勤務先の業績は悪いと聞いているのですが、解雇を受け入れるしかないのでしょうか。

回答

まず会社は、法的には、余程のことがない限り従業員を解雇することができません。会社が従業員を解雇するには、「客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当と認められる」ことが必要です(労働契約法16条)。法律の文言が相当にあいまいなので一見しただけではわかりにくいのですが、裁判実務では、この基準は相当に高いものとされています。つまり解雇は余程の理由がないとできないのです。そこで、業績が悪い場合でも簡単には従業員を解雇できないことになります。

業績が悪いことを理由に従業員を解雇することを「整理解雇」といいますが、裁判例で整理解雇が認められるには以下のよう要素を総合考慮することが実務で定着しています。
以下の4つの要素です。

1 解雇の必要性があること(業績が悪化していることなど)

2 解雇を回避するための努力をしたこと
(解雇以外の他の手段を充分に試みたか)

3 人選が合理的であること(解雇対象者を恣意的に選んでいない)

4 手続が相当であること(労働組合等に協議と説明をしたか)

仮に、要素の1について、本当に業績が悪化していたとしても、他の3要素を満たしていなければ、整理解雇が認められない可能性があります。例えば、2の解雇回避努力とは、従業員の配置転換や給与賞与の削減、新規採用の停止、希望退職の募集など、整理解雇という手段に至る前に、相応の解雇回避努力をしたかということですが、それを満たしていない場合は、解雇が認められない可能性もあるのです。例えば、新規採用を継続していたり、役員他の幹部が高額の報酬を継続的に得ている場合などは、2の解雇回避努力が認められにくい方向に働くでしょう。

したがって、「会社の業績が悪いから解雇する」と言われた場合でも、受け入れる前に、上記整理解雇の4要素をどれだけ満たしているかしっかりと確認したほうが良いでしょう。 

 
 

「君は我が社で求める能力が不足しているから解雇する」と言われました。

質問例

「君は我が社で求める能力が不足しているから解雇する」と言われました。解雇を受け入れるしかないのでしょうか。

 

回答

会社は、余程のことがない限り従業員を解雇することができません。

会社が従業員を解雇するには、「客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当と認められる」ことが必要です(労働契約法16条)。法律の文言が相当にあいまいなので一見しただけではわかりにくいのですが、裁判実務では、この基準は相当に高いものとされています。つまり解雇は余程の理由がないとできないのです。

特定の能力の不足を理由とする場合では、それが重大な能力不足で配置転換も困難であり、教育や指導を尽くしても改善の見込みがない場合という事情がある場合のみ解雇できます。会社が解雇できるハードルは相当に高いのです。

また、この質問の場合の解雇理由が「能力不足」という曖昧な表現なので、まず会社に能力不足の内容を具体的に説明してもらう必要があります。もし会社から能力不足の内容のについて具体的な説明がなければ、その時点で「客観的に合理的な理由」がないということになって違法な解雇になります。

そこで、まずは能力不足の具体的内容の説明を会社に求めるとともに、その説明内容が合理的だ相当な理由といえるか否かを一つ一つ吟味することが必要です。会社から納得できる説明がない限り解雇を受け入れる必要はありません。 

 
 

「君は営業成績が部署でビリなので解雇する」と言われました。

質問

「君は営業成績が部署でビリなので解雇する」と言われました。確かに今の営業成績はビリなのですが、上司の指示を守って一生懸命やりましたし、他の営業担当者と比べてもそれほど悪い成績ではないと思っています。成績がビリだと解雇を受け入れるしかないのでしょうか。

 

回答

会社が従業員を解雇するハードルは相当に高いので単に営業成績が所属部署の中でビリ、又は不振であるというだけでは、解雇が認められるには不十分です。

会社が従業員を解雇するには、「客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当と認められる」ことが必要です(労働契約法16条)。法律の文言が相当にあいまいなので一見しただけではわかりにくいのですが、裁判実務では、この基準は相当に高いものとされています。つまり解雇は余程の理由がないとできないのです。

まず、就業規則に、解雇事由として営業成績不振が明示されていることが条件です。

さらに、営業成績が部署でビリというだけでは解雇できません。営業成績がビリであることを理由に解雇できるのなら、毎年ビリの従業員を解雇できることになってしまいます。

また、営業成績が極めて不振というだけでは解雇するには足りません。会社が当該従業員に教育や指導して改善の機会を与え、それでも改善の見込みがない場合のみ、解雇できる可能性があります。つまり指導や教育を十分尽くしたことを会社は立証する必要があります。

このような条件を満たしていない場合は違法な解雇となります。したがって会社が条件を満たしていない場合は解雇を受け入れる必要はありません。 

 
 

試用期間終了時に解雇されてしまいました

質問

入社後に6ヶ月間の試用期間があったのですが、試用期間の終わりになって「本採用できないので解雇したい」「試用期間中であれば解雇は可能」と言われました。解雇を受け入れるしかないのでしょうか。

 

回答

試用期間なら会社は自由に解雇できるというのは誤りです。そのように誤解している人が多いのは残念ですが、試用期間中でも「客観的に合理的な理由」「社会通念上相当として認められる理由」がないと解雇できません。繰り返しですが会社は、余程のことがない限り従業員を解雇することができませんが、試用期間中であれば解雇のハードルがある程度下がるというだけです。

従業員は会社に入社するにあたって、他の会社に入社する選択肢を犠牲にしていますから、試用期間中に大した理由もなく解雇されるのでは不利益が大きすぎます。一方で会社にとっては「採用決定後における調査の結果により、または試用中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知る」ということもありうります。そこで解雇のハードルが高すぎると会社も採用のリスクが高くなりすぎます。そこで、両者の利益の間をとって、このような通常の解雇よりは低いハードルで解雇を認めるルールになっているのです。

したがって、試用期間中だからといって、会社側が「客観的に合理的な理由」「社会通念上相当として認められる理由」なしに解雇しようとしている場合には、解雇は認められません。

 
 

不当解雇で会社と復職の交渉する期間、他の会社に勤務できますか

質問

会社から納得できない理由で解雇されたので、復職のため弁護士をたてて交渉するつもりです。しかし解雇されてから給料が入らないので、生活のため、他の会社で働きたいのですが、復職する際に問題ありますか。 

 

回答

復職したいという意思があるかぎり、当面他の会社で仕事をしていても会社に復帰できます。もっとも、その他の会社からは、一旦入社しておきながら、復帰のために急に辞められると迷惑だと思われる可能性もあるので、慎重に当面の働く場所を探す必要があります。 

 
 

退職勧奨  君に与える仕事がないと暗に退職を促されています

質問

1週間前から毎日のように部長から呼び出されて、面談で「君には、今の会社で与える仕事がない」「このまま会社に残っても良いことがない」「他の会社の方が向いていると思う」などと言われています。部長は「解雇する」とは言いませんが、明らかに「退職してほしい」と身体全体で圧力をかけてきます。会社を辞めるつもりはありませんが、このような面談は非常に辛いです。どうしたら良いでしょうか。

 

回答

この質問のように、会社が従業員に対し退職を促したり強要することを「退職勧奨」と言います。
繰り返しですが会社は、余程のことがない限り従業員を解雇することができません。会社が従業員を解雇するには、「客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当と認められる」ことが必要です(労働契約法16条)。法律の文言が相当にあいまいなので一見しただけではわかりにくいのですが、裁判実務では、この基準は相当に高いものとされています。つまり解雇は余程の理由がないとできないのです。

会社は質問者を解雇できる正当な理由がないからこそ、このような退職勧奨を行うことも多いのです。そこで、退職したくない場合は、面談で「退職する」「はい」「わかりました」とは言わずに「考えておきます」等でなんとかやり過ごしてください。そして早めに弁護士にご相談ください。

弁護士が前面にでて会社と交渉することで、会社が「退職勧奨」しても目的を達成できないことを悟って、「退職勧奨」を止めてくれることもあるのです。

 
 

不当解雇する会社に愛想が尽きたら辞めた方が良いですか

質問

会社から、理不尽な理由で、解雇手当2ヶ月分で解雇を言い渡されましたが納得できません。しかし争っても会社に相当にいづらくなりますし、このようなことをする会社(上司)に愛想が尽きた面もあります。もう会社に残るつもりがないのなら解雇を受け入れた方が良いのでしょうか。

 

アドバイス

確かに会社が違法な解雇をしてきた場合でも、従業員本人がその会社で働く気持ちがなくなった場合には、会社に残るよう頑張ることがベストなのか良く考える必要があります。

しかし、何もせずに違法な解雇を受け入れたことで、将来にわたって悔しさが残って後悔する場合もあります。また、違法な解雇を争い正当な権利を主張することで、交渉の過程で会社から解決金(月給の数ヶ月分)の上乗せの提示を得ることができる場合もあります。したがって、会社に残るつもりがないからといって、そのまま解雇を受け入れたたほうが良いとは言い切れません。ぜひ弁護士にご相談ください。

 
 

契約社員ですが、長く勤めてきたのに契約の更新を拒絶されてしまいました

質問

期間半年の契約社員として、6年間、11回も契約更新をして勤務してきましたが、今回更新しないと言われました。理由は「君の仕事が不要になった」と言われています。私は今の会社で仕事を続けたいのですが、このまま契約終了を受け入れるしかないのでしょうか。

 

回答

契約社員の更新拒絶を「雇止め」と言いますが、雇止めの全てが認められるのではありません。 

確かに契約社員(有期雇用契約)の場合、契約期間が終了すると雇用契約も終了するのが原則です。しかし、何度も契約を更新していたり、業務内容が正社員と違いがない場合などで契約社員が更新を期待するのが当然という場合は更新拒絶が認められない場合があります。

例えば、過去の更新時に「君にはずっと当社で働いてもらいたい」と会社から言われていたとすれば、契約社員が更新を期待するのが当然といえるので、更新拒絶が認められない可能性があります。

したがって、質問のケースでは、6年間と比較的長い期間更新が繰り返されているので、過去の更新の経緯、正社員と比べた業務の内容などによっては、更新拒絶が認められない可能性があります。

 
 
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